HMBとは
HMBの正式名は、「β-Hydroxy-β-MethylButyrate(ベータ・ヒドロキシ・ベータ・メチル酪酸)」です。
正式名から頭文字だけをとった呼び方がHMBです。
HMBは必須アミノ酸の一種であるロイシンから体内で合成される物質で、筋肉の合成促進と分解抑制の効果があるとされています。
HMBはロイシンの体内における代謝産物で、必須アミノ酸のロイシンが筋肉や肝臓で代謝されることによって生み出される成分です。
人間の体内におけるHMBの1日当たりの生成量はごく少量です。
ナマズ、グレープフルーツなどの食べ物にも含まれていますが、理想量を補うためには、サプリメントで摂取するのが効率的です。
HMBの効果
世界・日本の臨床実験では筋肉量や筋力に有意な改善が見られたとのいう結果が出ています。
国際スポーツ栄養学会のガイドラインでトレーニングに対するHMBの4つの効果が示されています。
①筋肥大
②筋損傷の回復
③加齢による筋肉減少の予防
④脂肪量の減少
また、厚生労働省の『日本人の食事摂取基準』(2015年版)では、HMBを作り出すロイシンのサプリメント摂取とレジスタンス運動(繰り返し筋肉に負荷をかける運動)を組み合わせたプログラムによって、75歳以上の日本人女性の筋量、歩行速度、筋力が改善したと報告されています。
HMBを毎日3g補給することによって、筋肉量の増加が期待できるとされています。
しかし、HMBさえ飲んでいれば理想的な体作りができるというわけではありません。
効果を得るためには運動をすることが必要です。
HMBはあくまでも、トレーニングの成果を得やすくするためのサポート役であるということを忘れてはいけません。
プロテインとの違い
プロテインとは、タンパク質は糖質・脂質と並ぶ3大栄養素のうちのひとつで、生命維持や身体活動のエネルギー源となるだけでなく、筋肉・肌・髪を作り出す材料にもなる重要な成分です。
市販されている「プロテイン」は、タンパク質を効率よく補給するための栄養補助食品のことを指しています。
プロテイン(タンパク質)が代謝されると必須アミノ酸のロイシンが作られます。また、ロイシンが代謝されるとHMBになります。
プロテインは筋肉そのものの材料となるのが特徴です。成人の男女が健康維持のために必要なタンパク質の量は1日当たり60g程度が目安ですが、筋肉量アップを目指す場合はそれ以上の摂取が推奨されます。ただ、多量のタンパク質を食事だけから摂ろうとするとカロリーオーバーになりかねないので、市販のプロテインが重宝されています。
プロテインとHMBでは、どちらがもう一方よりも優れているということはありません。目的に応じて賢く使い分け、また併用することによって、筋肉量のアップや健康維持に効果的になります。